ヨガや動物の物まね、歌や踊り、詩を使ったシアターゲームなど、
障がい者と健常者が垣根を払い、即興的に交じり合う演劇ワークショップと公演を行う。
知的障がい者の自己表現を深め、コミュニケーション能力を培い、
健常者と共に表現の楽しさを体験する。
【会期】
<演劇ワークショップ>7月~12月(ほぼ毎週水曜)
<演劇公演>12/14(金)
【会場】
演劇ワークショップ:港北区障害者地域活動ホームともだちの丘(東横線大倉山駅徒歩5分)
えんげきまつり:大倉山記念館(7分)
【イベント】
月3回水曜日16:00~18:00 演劇ワークショップ ※詳細はお問合せください
11/7(水)16:00~18:00 ゼロボデイワークショップ
11/14(水)16:00~18:00 ゼロボデイワークショップ
11/28(水)16:00~18:00 ゼロボデイワークショップ
12/5(水)16:00~18:00 ゼロボデイワークショップ
12/12(水)16:00~18:00 ゼロボデイワークショップ
12/14(金)15:00~16:00 演劇公演「そらみみ ソファ」 ~Across The Borderline!~
【主催】
ともだちの丘えんげきぶ
【ホームページ】
http://www.megalo.biz/
一日の作業を終えた部員たちが思い思いの格好で仰向けになっている。パーソナルスペースを確保するためにソファーに横になる部員もいれば、床の上に手足を広げてごろんと転がっている部員、また、隣の部員に話しかけている部員もいる。練習前のウォーミングアップの時間として、みんなリラックスした格好で思い思いに発声をしている。一人がリードするわけでも全員が順番に声を出すなど規則性はなく、主体的に発声することで、いろいろなコミュニケーションがそこには在った。
部員の名前を呼び合うといった掛け合いもあれば、一人の部員がアー、オーと発声していると、そこに一人二人と呼応していき、次第に調性感を伴ったきれいなハーモニーへと発展するプロセスは、まるで音のベールに包まれているようで心地よかった。みんなの声に包まれ、私自身も身体と心が解放されていった。十分に発声をし、ティーブレイクの後は、いよいよ本日のお題「白浪五人男」「国定忠次 赤城山」による演劇の練習が始まる。
3人によるスタッフ体制のもと、毎回、リーダー役は交替されるため、各スタッフの個性や得意分野が光る。それも素敵である。スタッフの一人が、歌舞伎役者のように立ち振る舞いながら台詞を言うと、迫力のすごさにみんな引き込まれ、拍手や歓声があがった後、今度は自分たちの番である。一人一人、見栄の切り方に個性が表れ、自信たっぷりに見栄を切る部員、うまくやりたいというプレッシャーに葛藤する部員、突然動きだし、自然とみんなを巻き込んでいく部員、などなど、各部員の表現の自由は最大限に尊重され、大切に紡ぎ出されている。
彼らこそ、古典芸能に息を吹き込み命を与える演劇集団なのだ。「ここでは自分の表現が他者から認められ、また、他者の表現を大切に尊重することを通してコミュニケーションが成り立っている」と笑顔で言う主催者の姿に、今後の活動の可能性や創造性を十分に感じた。12月の発表会が今から楽しみである。
取材・文
よこはま音楽広場実行委員会 高田由利子
(取材日:2012年7月11日)